2025年4月21日(月)、ボストンマラソンに出場しました。
東京、ロンドンに続く3つ目のワールドマラソンメジャーズ。光栄なことに、エリートランナー枠での出場。そんな中で、自己ベストとなる2時間13分57秒をマークすることができました!
この挑戦の記録を残しておきたいと思います。
直前の主なトレーニングは以下の通りです。
基本的にこれまで同様、ペース走や2000mインターバルなど、強度の高めの練習を重視。
ただ、今回は少しレースまでの期間があったこともあり、35km走を2回実施しました。それぞれフルマラソン本番を想定したタイム設定(合計で約2時間10分)で無理のないペース(3'45/km)で長い時間走ることに体を慣らしました。
レース3日前は、出国前の最後のトラックを走る機会ですが、1000m×2(2'55)程度の軽い刺激で済ませました。
基本的に、現在は、先日の東京マラソンからも分かるように、調子のピークで、これまでのトレーニングの成果を収穫する時期にあると思うので、余計なことはしませんでした。
全体として、特段無理のない範囲での練習・調整でした。
出発はレース2日前の土曜日。本番は現地の月曜日になり、出発のスケジュールにはかなり余裕があります。
(ただ、このスケジュールだと、フライトが遅延したりすると一発アウトなのでもう少し余裕を持った方が良かったです。)
また、成田空港は激混み。チェックインまで1時間ほど待ち時間がありました。
バタバタしましたが、特に大きな問題もなく出国。13時間のフライトを経て、ボストンにはほぼ出発した日と同じ時間である、土曜日の夕方に到着しました。
移動初日は疲労も大きく、実質的には完全休養。
現地に到着してからレースまでは、夜が2回のみというかなりタイトなスケジュール。
ホテルは当初、会場から少し離れた場所を予約していましたが、現地での移動の負担を考慮し、直前に会場近くのホテルへ変更したのですが、その甲斐もあり、エリート受付会場のホテルまでは約400m。ゴール地点もその周辺なので、かなり助かりました。
着いたその日は余裕があれば軽く走る予定でしたが、結果的に完全休養。
その代わり、一晩しっかり寝てから、レース前日の早朝には、60分ほど身体を動かしました。
観光客で賑わう日中とは異なり、早朝の公園は広々としていて走りやすく、体を動かしているうちに少しずつ調子が上がってくる感覚がありました。
昨年のロンドンでは前日に軽く観光もしていましたが、今回はエリートランナー向けの受付やドリンク預け、ミーティング等があったため、ホテル周辺の軽い散歩のみにとどめ、体調管理を最優先に過ごしました。
ただ、ここで時差問題。日本とボストンの時差は13時間と、これまで渡航してきた国の中では最も長く、すぐには適応できませんでした。フライトで十分寝た後に、また現地で夜が始まるので、寝過ぎで、現地での夜はほとんど熟睡できず、日中眠くなることが多かったです。
前日の夜は普段のレース通り20時頃に就寝しました、が、なんと他の部屋の火災報知器が鳴ってホテルの宿泊者が全員ロビーに避難する事態。結果的に誤検知で事態は収まりましたが、前日夜にいつまで寝れるか分からない状況になったのは流石に堪えましたね。。。
エリートランナーのスタート時刻は午前9時37分。普段の国内レースよりも少しゆとりのあるスケジュールでした。
ボストンマラソンのコースに関して、スタートはホプキントンという、ボストン市街から40km以上西にある地点。そこから東に向かって、ほぼ一直線に進むコースです。
スタート直後から急な下り坂が続くため、転倒には要注意。実際に転倒した選手もいて、巻き込まれそうになった選手もちらほら。この大会で最も気をつけるべきポイントかもしれません。
最初の1kmは2分40秒台で通過。その後はアップダウンの激しいタフなコースが続きます。折り返しのない直線コースで、終始向かい風が吹く中、なるべく集団についてレースを進めました。
5km通過は14分55秒。5kmまでの入りの感覚的には東京マラソンの時とほぼ同じでした。私は56番のナンバーでしたが、周囲は20〜30番台の選手が多かったです。ただ、タイム申請した後、自己ベストを大幅更新していたこともあり、実質的には現在の番号よりも実力は上。臆せず集団に粘り、ハーフ地点を1時間4分台で通過する攻めの展開でレースを進めました。
沿道にはびっしりと観客が並び、街中はまるでお祭りのような熱狂。特に20km地点の歓声は今でも鮮明に覚えています。まるで何かのライブホールにいるような錯覚を覚えるほどの熱量に背中を押され、疲労を忘れるほどの力をもらったような感じがします
30km以降は厳しい登りの区間があり、そこが一番の正念場でした。ここで体力を使い切ると40km近くになると苦しくなりますが、精一杯粘り続けました。3分40秒/kmほどまでペースが落ちた区間もありましたが、最低限耐えたと思います。
40km地点で初めてゴールに向けたタイムを意識し、「自己ベストは確実に更新できる」と確信。
このままいけば2時間13分台に届くという気持ちで、最後の数キロを振り絞って走り切りました。
フィニッシュタイムは2時間13分57秒。
目標としていた13分台に突入!サブ10に向けて、また一歩前進しました。
ゴール後の一枚。大学時代の全日本大学駅伝の時から色々と付き合いのある古川くんとこのような舞台で一緒に走れるとは。。。何だか感慨深いものがあります。
レース後は、世界中から集まったエリート選手たちと互いに健闘を称え合い、夜は選手や大会関係者とのパーティーにも参加。国境を越えたランナー同士の交流、非常に充実した時間でした!
それから帰国までの間、MITやボストンティーパーティの港、フリーダムトレイルなど、周辺の観光スポットを散策してきました!
さて、これから日本は本格的な暑さを迎えます。暑さが苦手な私にとっては、なかなか見せ場を作るのが難しい季節となりますが、一旦ここまでで、ニューイヤーハーフ、東京マラソン、ボストンマラソンと、ある程度結果を残すことができて良かったです。
唯一、心残りなのが、ハーフの自己ベストを納得のいく形で出しきれていないことです。ハーフに関しては、トラックでのスピード練習も相当量必要なので、積雪の多い北陸では、冬の時期に調整を合わせることが難しいと感じます。これまでは、海外レースは全てフルマラソンでしたが、ハーフマラソンに関しても、海外レースを活用していく必要性を感じているところです。
とりあえず直近の目標としては、2年連続で自己ベストを更新している7月のゴールドコーストマラソンで、さらに自己記録の更新を目指していますので、そこに向けてまたしっかりと取り組んでいきたいと思います。
今回の遠征の様子、レース前後の準備風景、現地の空気感などをまとめたVlogを、近日中にYouTubeへアップ予定です!
これからは、考察系は引き続きブログで、旅行やグルメなどの情報は動画という形で、使い分けていこうと思います。
公開され次第、この記事の冒頭にリンクを追記しますので、ぜひチェックしてみてください!
また、これまた大変光栄なことに、日本人トップとして、時事通信さんにも取り上げていただきました!いつか上位入賞者として、堂々と紹介される日を目指して、これからも精進していきたいと思います!
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025042200252&g=spo
今回レースは日本の深夜の時間帯なのにも関わらず、レース直後から、日本からもたくさんの反響をいただきました。応援してくださったすべての皆さま、本当にありがとうございました!
また、このボストンマラソンですが、「マラソンってこんなに楽しいんだ!」と改めて実感できる大会でした!沿道からの熱狂的な応援、レース以外でも、街全体で祝福してくれる空気感、観光、食事、どれを取っても、特別な経験でした!
もうすでに、2026年の詳細が出てますので、興味のある方はぜひご覧になってみてください!
https://www.baa.org/races/boston-marathon/qualify