最近では、夏の始まりの恒例行事なりつつある「黒部名水マラソン」。
このレースには、特別な思いがあります。
学生時代から、提携大会の関係でご縁があり、10kmの部で何度も出場していた大会。
フルマラソンの部では、川内優輝さんやバトオチルさんといった国際的なランナーたちが歴代優勝者として名を連ねています。
昔、前夜祭で初めて川内さんとお話させていただいた時に、「いつか国際大会で競り合えるようになりましょう」と言っていただいたことを覚えています。
まさか、自分自身も本当に社会人として競技を続けていることも確信はできていなかったし、まだ川内さんが最前線で現役でいてくださることも想像できなかったです。
また、元YKKの及川さんとも、この前夜祭で出会い、今では北陸の実業団連合チームとして活動していることも感慨深いです。
こうした、ずっと昔の出来事がこうやって今に繋がってくることは、物語の伏線回収のように感じられて感慨深い部分があります。
10kmでは2回ほど優勝の経験はありましたが、「いつかフルマラソンの部でも優勝を。」
そんな想いが、ずっと心の奥にありました。
それが少しずつ現実味を帯び、気づけばその舞台に自分自身が立つようになっていました。
でも、その道のりはまだまだ険しく、サブ20を達成していても、なかなか優勝が見えてこないレースでした。
初めてこのレースのフルマラソンの部で出場した2023年、2024年も同様、蒸し暑さと慣れない中盤の長い上り坂に苦しみ、思うような走りができずに悔しさだけが残りました。
「このコースは甘くない」と痛感させられるレースでした。
しかし、今年の自分は違いました。
年明けから自己ベストを更新し続け、マラソンに対する苦手意識も払拭。
これまでだったら気後れしていたサブ20の強豪選手たちにも、今ならしっかり勝負できるという自信を持ってこの日を迎えることができました。
5/11 仙台国際ハーフマラソン 1:05:29
5/17 Finth練習会 2000+1000+400 2セット+1000 5’48, 2’48, 64 5’43, 2’48, 62 2’39
5/20 2000x7(r=3’)
5/25 黒部名水マラソン
仙台国際は練習の一環だったため、この二週間はほとんどダメージなくくることができました。
特に、一週間前の練習会は、久々に最大級のスピードを出していい刺激が入りました。
5日前にも、普段の調整では絶対しないような、2000x7という重めのメニュー。
特に普段の国内レースに関しては、レース週だからといってあまり意識はし過ぎず、普段通りを心がけています。
普段のジョグも、2日前までは通常通り朝晩合計30km。1日前だけ少し練習量を落とすくらいのイメージです。
5kmまでは及川さんのリードで落ち着いた入り。
その後、自ら前に出てレースを引っ張る展開に。
10km以降は完全な単独走となり、意識していたのはただ一つ。
昨年、森井さんが打ち立てた大会記録「2:16:18」。
30km地点では、その記録を約90秒上回るペースで通過し、大会記録への期待が膨らむ一方で、それ以降は容赦ない爆風が立ちはだかりました。
体力も、集中力も削られていく中で、それでも気持ちを切らすことなく、粘り抜きました。
ゴールタイムは 2時間17分30秒。
大会記録更新には届きませんでしたが、文句なしの初優勝。
3年越しの挑戦で、ようやくタイトルを取ることができました。
森井さんの記録の偉大さを痛感すると同時に、自身が大きく成長したことの実感が、何よりも嬉しかったです。
今年は例年のような蒸し暑さこそなかったものの、代わり「爆風」がありましたが、それは暑さとは違い、全員にとって厳しい条件なので、自分にとっては良い方向にはたらきました。
そして何より、歴代の記録に、自分の名前が並ぶことになりました。
条件は違えど、この中に、自分が加われたことは大きな誇りです。
おそらく今回も、条件が整えば13-14分あたりの記録だったと思います。
これで通算5回目のフルマラソン優勝。この経験を次回以降への自信として、この調子でまた次のステップに進んでいきたいと思います。
次は石川県選手権を挟んでゴールドコーストマラソン。
いよいよ2時間10分台を目指します。
行きの新幹線では、自販機で購入したサーティワンアイスクリームをいただきました!
「レース直前にアイス?」と思われるかもしれませんが、これが実は理にかなっていて、カーボローディングにはうってつけなんです。
冷たさがほどよく身体を起こしてしてくれるのも◎。
この日は定番の「オレンジソルベ」をチョイス。
レース前の緊張感を、この至福の時間が少しほぐしてくれました。
レース後は、しっかりリカバリーも兼ねて色々食べましたが
特に印象に残ったのは、「味づくし弁当」。
名前の通り、おかずが何種類贅沢に入ったお弁当で、
煮物や海鮮、玉子焼き、野菜や漬物まで、どれも丁寧に作られていて、身体にじんわり染みる味。
頑張った後の自分へのご褒美です。。
走った分、しっかり食べて、しっかり休む。
これも、次への挑戦に向けた大切なプロセスだと思っています。