ついに、あの大舞台を完走、さらに、自己記録を更新することができました。2時間11分26秒で13位。メジャーマラソンでは自己最高順位という、記念すべきレースとなりました。
北海道マラソンからベルリンまで、本当に慌ただしい日々でした。
MGC出場権獲得後も大変光栄なことに取材が続き、たくさんの方からお祝いの言葉もいただき、新たなレースへのお誘いも重なって、人とのつながりが一気に広がった数週間でした。
こうしたご縁には感謝の気持ちでいっぱいですが、北海道からベルリンまで、わずか3週間。正直なところ、余韻に浸る時間はほとんどありませんでした。
その間も、練習時間の確保はもちろん、十分な睡眠時間の確保や整体でのケアまで、なんとか時間のやりくりを続けてきました。
そして今、ベルリンマラソンを走り終えて、ようやくひと段落。振り返ってみると、この数週間は自分でもよく頑張ったなと思います笑
やっと、ご褒美タイムです。大好きなゆきみだいふくとわらび餅を心ゆくまで楽しむ予定です!
8/31 北海道マラソン
9/1〜9/3 完全休養
9/4〜9/6 リカバリー期
9/7〜9/12 復帰〜追い込み
9/14〜9/17 調整
9/18〜9/20 移動&現地で最終調整
9/21 ベルリンマラソン
出発直前も本当に慌ただしい日々でした。
大事な1週間前のトラック練習は、予定していた競技場が使えず、急遽場所を変更。そのため予定より遅い時間のスタートとなり、気温も上がってしまい、厳しい条件での練習となりました。
その中でも、過去最高レベルの感覚でこなせたのは大きかったと思います。
さらに出発前日の火曜日。軽く刺激を入れるつもりで競技場へ向かったところ、まさかの定休日。結局、ジョグでつなぐしかありませんでしたが、こういう経験も大分慣れてきたのであまり気にはなりませんでした。
そして最後の追い討ちは、出発のわずか1時間前。持ち歩き用PCの容量不足が発覚し、急遽電気屋へ駆け込み、新しいPCを即購入することに。在庫の中から用途に合うそれなりにハイスペックの機種を短時間で選ばなければならず、かなり神経を使いましたが、幸い良い機種が見つかり、なんとか事なきを得ましたが、その影響で予定していた出発前のジョグはできず…
それでも、1週間前に行ったダイフクスペシャルを良い感覚でこなせたことは、大きな収穫でした。
もちろん、色々心残りはありましたが、経験上、こういうドタバタの時、モヤモヤを抱えている時ほど良い走りができるもの。慌ただしさも、ある意味楽しみながら過ごせた気がします。
今回はエリート区分での出場でしたが、元々は準エリート区分でのエントリーでした。
ゴールドコーストでPBを更新してから交渉した結果、エリート区分にアップグレードしていただくことができました。柔軟な対応に心から感謝しています。
ただ、当然ながら、今回のアップグレードはあくまで出場区分だけ。飛行機や宿泊先は全て自分で手配し、現地までの移動も全て自力。ロンドンの時と同様、今回も往復40時間以上にも及ぶひとり旅となりました。
それでも、エージェントさんがお忙しい中、リモートで現地の案内などを連絡してくださり、大変助かりました。本当にありがとうございます。
木曜日出発で、早朝便なので、水曜日中に羽田空港へ。
なるべく、ブランクを空けないように、早朝にホテル前のタクシー乗り場のところで往復ジョグしたり工夫しながら、16時間半の移動を経て、ベルリンに到着。
毎度のことながら、胃腸の調子はいまひとつでした。ラウンジの食事か機内食が合わないのか、原因はいまだに分かりません…。現地に到着して、一日ほど経つと元に戻ることが多いです。
乗り換えのヘルシンキでは、時間がギリギリな上、トイレ休憩等でさらにギリギリになってしまい、本気を出すためにウインドブレーカーを脱いで半袖半ズボンで搭乗口まで走る羽目に。結果的に良い運動になりましたが、肝心の飛行機は結局遅延。これも旅の一部です笑
ブランデンブルグ国際空港に到着後は、時間を節約するためタクシーでホテルへ移動しました。
このような場面では、Uberアプリがとても便利です。アプリで手配すると数分でタクシーを呼ぶことができ、さらに乗車前に料金が確定するため、ぼったくりに遭う心配もありません。
ある程度、目的地までバスや電車で距離を詰めた上で、タクシーを使うのも一つの手です。
宿泊先は ホテルリウプラザベルリン。
部屋はスイートルームのような広さで、これまで宿泊したホテルの中でも一番といえるほどの空間でした。
ただし、バスルームはシャワーのみ。
遠征先では一日に三度ほど湯船に浸かりたい身としては、少し残念…
今回は五泊なので、たくさん入浴剤を持参していたのですが……笑。
さらに、エリートへのアップグレード前に予約していたので知らなかったのですが、エリート受付会場からは1kmほどという今回もまた強運を引き当てました笑
よく聞かれるのが時差ぼけへの対応方法です。
私の場合は、欧米に行く際はなるべく現地の夕方に到着するようにフライトスケジュールを組んでいます。
実際、普段の睡眠不足が一気に解消されるほど。
最初の数日は逆に寝すぎて早朝に目覚めてしまいますが、移動の疲れは一日ほどで完全に抜けます。その後は、朝練で体を整え、日本との時差を考慮しながら午前中は仕事、夕方は少し余裕をもって過ごすようにしています。
食事面では、ホテルの近くに「サクラレストラン」というバイキング形式の日本食レストランがあり、とても助かりました。リーズナブルな値段の上、めちゃめちゃ美味しかった!!
やはり慣れない土地でも、普段の食事に近いものがあると安心できます。
現地での過ごし方も、遠征を重ねる中で、ある程度ルーティンが整ってくると、余計な慌ただしさも減り、気持ちにも余裕が生まれます。
そして前日には、恒例となっているテクニカルミーティングやスペシャルドリンクの準備も無難に終え、本番当日を迎えることができました。
朝5時起床。7時30分のホテルからのバス出発に合わせて準備しました。
天候は曇り晴れくらいで、予想最高気温は24°C。かなりの暑さが予想されるレースとなりました。
その中でも、前半から積極的に攻め、キロ3分2〜3秒のペースで刻み、ハーフは63分台で通過。第3集団には日本の有名な実業団選手たちも多く、「ようやくこういうところでも走れるようになったか」と実感しました。
暑さが厳しいレースでしたが、北海道マラソンでの経験があったため、ある程度自信を持って走ることができました。あの時よりは気温が低く、日陰も比較的多かったものの、給水スポットが少し短く、もう少し水を被りたいと思う場面はありました。
その後も大きく崩れることなく、37km地点まではサブ10ペースを維持。しかし思わぬトラブルが発生しました。水をかけ続けた影響でゼッケンがふやけて剥がれ落ちかけ、それを直そうとした瞬間、両腕が同時につるという最悪の事態に。それでも最後まで踏ん張り抜きました。
結果は2時間11分26秒。自己ベストを更新し、13位でフィニッシュ。
今年に入って6度目の自己ベスト更新という、自分でも信じられない記録となりました。
世界中のランナーとともに走り抜けたベルリンの街は圧巻でした。
これまで何度も何度もテレビで見たあの光景。めちゃくちゃしんどい状況でしたが、ブランデンブルク門を正面に迎えた時の感動は、一生忘れないと思います!!
さらに、今回再び石川県記録を更新。また地元に新しい記録を持ち帰れたことが、何より嬉しかったです!
ゴール後も海外のランナーたちとお互いの勇姿を讃え合い、また交流を深めることができました!
ノルウェー出身の彼らは東京マラソン等にとても興味を持ってくれたので、また近いうちに再会できそうな気がします!
レース当日の夜はパーティーを楽しみました。多くの大会関係者、選手の方々と交流できるのは毎回とても貴重な機会と感じます。
一方、食事面は…たくさん食べられると思って、お腹空かせていったのに、まさかの飲み放題だけ…
売店もなかったので、電池切れで早めにホテルに戻る形となりました。
翌日も午前中は仕事をこなし、お昼の外食の延長で3時間だけ観光。場所は欲張らずにベルリン大聖堂だけに絞って、しっかり楽しみました。
ヨーロッパといえば、ああいう荘厳な建造物。日本ではまず見ることのできないあの光景に毎回圧倒され、なんだかパワーをもらえた気がします。
ドラクエの教会のように、数千ゴールド支払ってお告げを聞けば、レースで疲れ果てた後の状態異常を回復してくれたりしないでしょうか笑。
そのくらい神聖な雰囲気を感じました。
大聖堂の上に登るまでが、とにかく大変でした。
写真にあるような階段が延々と続き、フルマラソン翌日にはあまりにもハードな試練です。
途中で何度も立ち止まり、休憩を挟みながら、ようやく登り切りました。
そして辿り着いた先で街並みを見渡した瞬間、まるでフルマラソンを走り終えた時のような達成感がありました。
(ただ、次回は体力面も考慮して観光地を選ばなければ…と心に刻んだのも事実です)
そして最後はフィーバータイム!!
現地での最後の夜は、人気のドイツ料理店で食べまくりました笑。
写真では伝わりにくいかもしれませんが、見た目以上のボリュームがありました。レースまではある程度我慢する部分が多いですが、ご褒美に、この瞬間だけは思う存分堪能させていただきました。
帰国の日は、空港のシステムがバグってて手動対応になっていたり、空港チェックインが早すぎて表示がなく混乱したり、乗り換えの際に同じ羽田行きの便がほぼ同じ時間に複数あって間違えそうになったりと、疲れからか普段しないようなミスも目立ちました。それでも無事帰国。
長時間フライトの疲れはありましたが、大きく体調を崩すこともなく、今回も大変充実した遠征になったと思います。
大幅な自己ベスト更新とはいきませんでしたが、むしろまたPBを更新する機会が増えたと思うと、次回以降が楽しみになってきました。
暑さ対策、ゼッケントラブル、腕の攣り、ラスト5kmの失速。今回の経験も、すべてが次の挑戦につながります。
次はベルリンから6週間も空いてしまいますが、タフなコースで知られるニューヨークシティマラソン!
ここ一年を通して、暑いコンディションのレースが多い気がしますが、そろそろ涼しいコンディションで走りたいところですね…。
今回の経験を糧に、また新しい景色を切り開いていきたいと思います!